菅原そうたとトニオちゃんが結びつくとしたら、きっとあなたは菅原家に出入りしている人の一人じゃないですか？そんなことを言えば、当の菅原そうた君は怒るはずです。「俺は、そんなマイナーな人間じゃない。インターネットの検索をすれば100件も出てくるぞ。」と口をとんがらせて文句を言ってくるはずです。 　 　この菅原そうた君は私の次男です。彼は19歳の時に少年ジャンプに3Dマンガという新しいテクニックでマンガを投稿しはじめてその後、1年半か2年近く扶桑社のSPA!という30代のビジネスマン向けの雑誌に「みんなのトニオちゃん」というマンガを連載していました。 　 　SPA!の赤っぽいパワフルな表紙をキヨスクなどで見つけたことはあなたもあるかもしれません。30歳のサラリーマンなんだけど、ちょっとひ弱で坊ちゃんっぽくって、少し知的で少し弱っちいところのある人の読むマガジン。他の男性週刊誌ほどポルノっぽくなくて、また政治も違った視点から書いているので、若い人にうけるようです。 　 　その時に書いたトニオちゃんが今回、文芸社というところから1600円でオールカラーで発売されることになりました。なかなか、マンガが売れる時代でもなく、これからも苦戦が予想されるかもしれませんが、いずれにしても本人は無事、めでたく単行本マンガ作家デビューです。もし、興味とお金があったらネットでも買えるのでよろしくお願いします。 　 　トニオちゃんというのは5歳の設定ですが、そうたにそっくりなキャラです。かわいいようでちょっと不気味さも秘めていて、ホットと思えばちょっとクールだったり、という今時の子供です。もう子供というには、二十歳を過ぎているので、そろそろ子供という呼び方をやめなくてはと思うこのごろです。6月28日の渋谷のブックファーストでは、単行本のサイン会があって二日で174冊を売り切り、ブックファーストのサイン会の新記録を作ったそうです。（研究所のスタッフも全員買いに行ったのでずいぶん協力しましたが......。） 　 　いずれにしても、母親である私は70冊の本を書いているけど、ブックファーストのサイン会などやったこともないし、声がかかったこともないので、彼は幸運な人だと思います。文芸社の木下さんという編集者が今時、こんな人がいるのかと思うほどの熱血編集者で編集から販売・営業まで全部、一手に引き受け二日間雨のなかで足かけ8時間立ちっぱなしで声を枯らして呼び込みをしていたのはとても感動的でした。木下さんはSPA!の中の「みんなのトニオちゃん」を毎週、楽しみに読んでいたSPA!世代の一人だったのがそうたにとっては幸運を呼んだのだと思います。改めまして「みんなのトニオちゃん」（文芸社）をよろしくお願いします。

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