レギュラー番組/菅原明子の「エッジトーク」

●ゲスト---油脂栄養研究の第一人者で薬学博士の奥山治美さん
≪放送日 2009年4月15日(水)・4月22日(水)23:00~23:30 ラジオ日本≫



皆さんは、普段何気なく口にしている油について考えたことがあるだろうか?

サラダ油、ごま油、オリーブ油、マヨネーズやマーガリンなど、私たちの生活に油は欠かせない素材であるにもかかわらず、その摂取方法に関して気にしない人が大多数を占めている。

今回2週にわたってお送りしたのは、“リノール酸神話”“コレステロール神話”から、健康に良いと考えられ、なかには、特保(特定保健用食品)にも認定されている油でさえも摂り方によっては、さまざまな病気を引き起こす原因になるとその神話性に警鐘をならす油脂栄養研究の第一人者で薬学博士の奥山治美さんです。

薬学出身の奥山先生が、油の研究をはじめることになったキッカケは、リン脂質の機能がわからず勉強したいという思いから。その後、油に行きつき40年が経過したとのこと。

植物油(大豆、ひまわり、コーン)、マーガリン、マヨネーズに含まれるリノール酸がいいとされる“リノール酸神話”に真っ向から異を唱える奥山先生。
リノール酸がいいとされたのは、血中コレステロールを下げる効果があるからとされたから。しかし、それは一時的かつ短期間の結果で、7~8年ぐらいの長期的に見るとむしろ下げないと話す。
「(コレステロールの低下により) 心臓病を減らすとみられていたが、むしろ増えていた。」(奥山)
コレステロールを中心に考えてしまう“コレステロール神話”を作り出す国連などの体制にも問題があるという。

最近では、リノール酸を減らしオレイン酸(カノーラ油、オリーブ油、バターなどの動物性脂肪)を増やしている傾向ではあるが、ガン、心筋梗塞や脳梗塞などの主因の動脈硬化、そして、花粉症などの現代病を抑制するには、α-リノレン酸(魚油、エゴマ油、シソ油など)を多く摂取することが重要とのこと。

「(α-リノレン酸を多く摂取すると)抑制力が強くなり無駄な行動を抑える力が高まる。“キレる”パターンの逆です。」(奥山)

α-リノレン酸は、花粉症や“キレる”若者を減らす効果がある上、ねずみを使った動物実験によると学習能力を高める結果が出ている。また、コレステロールを下げるために油を減らしても大きくは効果がないばかりか、50歳を過ぎたら下げないほうがいいという奥山先生。

今からでも遅くはない。
皆さんも『リノール酸<α-リノレン酸』を意識して、健康的に長生きを目指しませんか?



今回のエッジトークの内容がより詳しくわかるのは、『油の正しい選び方・摂り方―最新 油脂と健康の科学』(農文協)、『心疾患予防 ブックレット(図解) コレステロール仮説から脂肪酸のn‐6/n‐3バランスへ』(学会センター関西)などです。ぜひ読んでみてください。

次回のゲストは、豊田正義さんです。4月29日(水)・5月6日(水)23:00~23:30・ラジオ日本「菅原明子の『エッジトーク』をお楽しみに!